泌尿器科

泌尿器科について

泌尿器科は、水分の調節と同時に老廃物の排泄をするはたらきをもつ腎臓に始まり、尿管、膀胱、尿道へと連なる尿路と、前立腺など男性の生殖器を中心に治療する診療科です。

対象の臓器の形態が男性と女性とでかなり異なるため、男性だけの病気と女性に多い病気のそれぞれがあるのが特徴です。

泌尿器科の診療範囲は幅広いのですが、具体的な疾患としては以下のようなものが挙げられます。

頻尿、夜間頻尿、尿道炎、腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎、前立腺肥大症、尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)、腎細胞がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣腫瘍 など

こんな症状の方はご相談ください
  • トイレが近い
  • たびたび夜中に起きてトイレに行く
  • 尿が漏れる
  • トイレまで我慢が出来ない
  • 排尿に勢いが無い、尿が出にくい
  • 尿が出なくなった
  • 残尿感がある
  • 尿をしてもすっきりしない
  • 尿をするときに痛みがある
  • 尿をした後に痛みがある
  • 尿をするときに血が出る
  • 尿検査で陽性(尿潜血・たんぱく尿)を指摘された
  • 尿道や股間の奥(会陰部)に不快感がある
  • 尿道から分泌物(膿や汁)が出る
  • 膀胱炎が治らない、再発する 

 など

男性に特有の悩み
  • PSA値が高い
  • 前立腺がんが心配
  • 前立腺肥大症かどうかを調べたい

 など

泌尿器科の主な病気

前立腺肥大症

前立腺肥大症とは、膀胱の下にある前立腺が肥大して尿道を圧迫し、排尿障害を来たす病気です。日本の55歳以上の男性の約2割、5人に1人くらいに前立腺肥大の症状があることが統計的にわかっています。

はっきりとした原因は解明されていませんが、加齢と性ホルモンがなんらかの影響を及ぼしていることは確かなようです。
前立腺肥大症の主な症状は、「尿をする回数が多い(1日8回以上)」「急に尿がしたくなって、我慢出来ないことがある」「我慢出来ずに尿をもらしてしまうことがある」「夜、何度もトイレに行く」「尿が出にくいことがある」などです。
健康なときには、無意識に済ませていた排尿なのに、これがスムーズにいかなくなることで、日常生活に大きな支障を来たします。

尿検査、残尿測定、尿流測定、直腸指診などで診断します。
治療は薬物療法、手術療法があります。

前立腺炎

急性(細菌性)前立腺炎

前立腺炎は急性の場合の多くは細菌による感染で、高熱(発熱)や排尿困難、排尿痛や残尿感、頻尿症状をともないます。
抗菌薬の点滴や内服薬で治療します。

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群(CP/CPPS)

慢性前立腺炎はあまり一般的な病気ではありませんが、年齢は20~40代の若い世代に多く見られます。
症状は会陰部不快感・排尿時排尿後の痛み・射精時射精後の痛み・精液に血が混じるなど、いろいろな症状を呈し、その程度もさまざまです。潜在的な患者様の数は多く、全男性の約5%がこれらの症状を経験していると言われます。
治療も多種ですが、症状が改善するまでは数ヶ月かかることも少なくありません。

前立腺がん

前立腺がんの患者さんが、最近増えています。前立腺がんに特有の症状はありませんが、前立腺肥大症と併存することも多く、前立腺肥大症の症状で見つかることもあります。

診断には、前立腺腫瘍マーカー(PSA、前立腺特異抗原)が特に有効で、採血(血液検査)で早期発見出来るがんですので、50歳以上の方は一度は検査をお受けになるよう、お勧めします。

尿路結石

腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石を総称して尿路結石といいます。尿管結石では背部・腹部の激痛や嘔吐を伴うこともあります。

症状、結石の位置・大きさにより、保存的治療(自然に排石することを期待する)か手術(体外衝撃波結石破砕手術(ESWL)やレーザーなどを用いた内視鏡手術)による治療を行うか判断します。

膀胱がん

尿路がん(腎盂、尿管、膀胱)の中で、膀胱がんが最も死亡数が多く、7割以上を占めます。罹患(りかん)数でも膀胱がんが最も多く、尿路がん全体の約半数を占めます。

ED

ED(Erectile Dysfunction)は、勃起不全または勃起障害のことを言います。

完全に勃起出来ないことだけを指すわけではなく、「勃起に時間がかかる」「途中で萎えてしまう」「満足のいく性行為が出来ない」と感じる人は、いずれもEDの疑いがあります。

年齢を重ねるごとに誰もがなり得る症状で、成人男性の4人に1人、50代以上の男性では2人に1人がEDを有すると言われます。

また近年は、若い方でも、ストレス、精神的な原因からEDに悩むようになる方が少なからずおられます。

現在、ED治療には良い薬がいろいろ開発されています。

女性泌尿器科

泌尿器科は女性にとって受診しづらい診療科ではないでしょうか。

しかしながら排尿関連のお悩みは女性に広く見受けられるもので、けっして特別な悩みではありません。

尿漏れ、頻尿、膀胱炎など、一人で悩まずに、お気軽にご相談ください。

こんな症状の方はご相談ください
  • 尿漏れ
  • 頻尿
  • 排尿困難
  • 過活動膀胱
  • 急性膀胱炎
  • 腎盂腎炎
  • 健康診断で血尿を指摘された
  • 尿路(腎臓、尿管、膀胱)に結石がある

過活動膀胱

過活動膀胱は「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり、我慢が出来ず尿が漏れてしまうことがある」などの症状を示す病気です。
40歳以上の男女の8人に1人が、過活動膀胱の可能性があることが、日本国内での調査でわかっています。

問診、尿検査、腹部エコー検査(残尿量の測定)などで診断をします。治療には薬による治療と、行動療法があります。

 腹圧性尿失禁

女性の正常な体では、おなかに強い力(腹圧)がかかった場合、「骨盤底筋(こつばんていきん)」という筋肉が膀胱と尿道を支えることで尿道が締まり、尿が漏れるのを防いでいます。腹圧性尿失禁(尿漏れ)は、この骨盤底筋が弱くなったり傷んだりすることによって、尿道をうまく締められなくなり、尿漏れを起こす病気です。咳をする、くしゃみをする、笑う、走る、テニスやゴルフなどのスポーツをする、重い物を持ち上げる、坂道や階段を昇り降りする、このような強い腹圧がかかるような動作をしたとき、尿が漏れてしまいます。

腹圧性尿失禁の治療の中心は、「骨盤底筋体操」です。緩んでしまった骨盤底筋を鍛えて、臓器が下がるのを防ぎ、尿道や肛門を締める力やコントロールする力をつけることで、尿漏れを防ぐ方法です。
薬による治療では、尿道を引き締めるはたらきがある薬(β受容体刺激薬)などを用います。
手術には、尿道を吊り上げる方法(尿道スリング手術)や、コラーゲンを注入して尿道の筋肉を強くする方法などがあります。

膀胱炎

女性に多い病気で、男性に起こるのはまれです。年齢を問わずかかりますが、若い方に多く見られます。女性の外陰部にいる細菌が尿道から入って膀胱粘膜に付着、繁殖して起こります。

通常は菌が入っても、膀胱の感染防御機構がはたらいて膀胱炎にはなりませんが、次のような要因が重なると膀胱炎になることがあります。ストレス、疲れ、体調不良(風邪をひいた後など)。

症状としては排尿痛、排尿時違和感、頻尿、残尿感、下腹部痛(違和感、鈍痛、張った感じなど)、血尿、混濁尿(白く濁っている)、尿臭が強い、などがあります。

検査は、尿検査と尿の細菌培養検査で診断します。トイレで紙コップに尿を採って来ていただき、それを顕微鏡で見て白血球(炎症細胞)が増えていれば膀胱炎と診断します。問診と尿検査で診断します。
治療は、抗生剤を3~5日間、内服します。通常1~2日間で症状は良くなり、3~5日間の治療で治癒します。

ふじおかクリニック
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